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RESONANCE ~共鳴 (2021年2月)

国や民族によってうつや不安感を持つ人の数に違いがあります。では日本人はどうなのかというと、その性格は、真面目で几帳面、責任感が強い、周囲の目を気にするなど、うつや不安感を持つ人が多いのが特徴です。ではなぜうつや不安感を持つ人が多いのかというと、そのもっとも分かりやすい理由は、脳内のセロトニンの濃度が遺伝的に低い人が、アジア系の中でも、特に日本人には多いからなのです。セロトニンは心を安定させる脳内物質ですが、このセロトニンを運搬する遺伝子が、アフリカ人や白人に比べて約10分の1と極端に少ないのが日本人です。しかしこの性格が、勤勉さや将来に備えて倹約にいそしみ経済的な成功を収めた理由にもなったわけですからもちろん悪い面ばかりでもありません。さらにこの研究(※1)が明らかにしたことは、悲観的な脳の持ち主は同時に、ポジティブな脳の持ち主にもなりえるという矛盾した結果だったのです。つまり日本人は、周りの環境に順応しやすく、ポジティブにもネガティブもすぐに感じ取り相手の気持ちを忖度できるように進化して来たのだと言えるでしょう。言い換えれば、その人の環境が良ければよりポシティブを深く味わい、環境が過酷な場合はよりネガティブにはまってしまうので、常に付き合う人や環境をいい方向に思い切って変えていくことが人生においては大事になるということを意味しています。

(※1)エレーヌ・フォックス『脳科学は人格を変えられるか?』文春文庫 参照